2016年9月19日月曜日

ロシアの古都へ ~ヤロスラヴリ~

ロシアを旅行するときの観光ルートに「黄金の環」というのがあります。
モスクワをはじめとする、ロシアの古い都が環を描くように並んでいます。
セルギエフ・ポサード(過去に記事あり)、ウラジーミル、スーズダリ、ヤロスラヴリ、ウーグリチ、ペレスラヴリ・ザレースキーなどなど、町ごとに特色があります。
定番は、モスクワ滞在のついでに、ウラジーミルとスーズダリをそれぞれ一日かけて見るというコースです。

私もロシア留学中に、ヤロスラヴリとコストロマーを訪れました。
今回は、ヤロスラヴリを紹介しようと思います。
ヤロスラヴリは、ロシアの古都として、歴史を伝える街でありながら、オシャレなお散歩スポットもいろいろあり、恋人や連れ合いと行くにもおすすめの場所です。

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ロシアの古都へ ~ヤロスラヴリ~
В Ярославль, древний русский город

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モスクワから汽車に乗って4時間。到着したのは昼の1時。

ヤロスラヴリは、ヤロスラフ賢公によって1010年頃に建てられた町です。この頃、日本では平安時代。1000年以上の歴史を持つ、ロシアの古都なのです。
建都1000年を記念して作られた広場。
あたりは音楽が流れ、
噴水がリズミカルに吹き上げます。

泊まったホテルには、入口にクマの置き物がありました。


実は、クマは、ヤロスラヴリの町の紋章にもなっています。

地面を探してみると、こんなところにも街のシンボルが。

1)キーロフ通り
市の中心にある歩行者天国です。お土産物の屋台が並び、路上パフォーマンスをする芸人もいるなど、モスクワでいうところのアルバート通りのような場所です。

2)預言者イリヤー教会
注目するべきは、教会の中の壁画です。宗教的な題材のものや、中世ロシア人の暮らしを描いたものなどが一面に描かれています。

とがった屋根のロシア式の教会。
比較的古い教会では、壁が白いものが多いです。

どの壁や天井を見ても絵が描かれています。

庶民の暮らし。

3)博物館『音楽と時間』
このお屋敷の主人は、収集が趣味だったようで、時計、ベル、レコード、蓄音機、オルゴール、石炭アイロンなどといったアンティーク雑貨のコレクションがぎっしりと並んでいて、なんだかジブリの映画を思わせる空間です。館員さんが館内ツアーをしていて、オルゴールを実演してくれます。



4)救世主変容修道院(スパソ・プレオブラジェンスキー修道院)
以前このブログでセルギエフ・ポサードの修道院をご紹介したと思いますが、こちらはセルギエフ・ポサードほど宗教的な色は薄くなり、むしろ歴史を伝える博物館になっています。

ここでもトンガリ屋根。
昔のロシアの町は、トンガリ屋根だらけだったと
言われています。

庭が非常にきれいなので、
結婚用の記念写真を撮っている花嫁花婿もいました。

古代ロシア文学の名作『イーゴリ軍記』が発見されたのはこの修道院内と伝えられています。


敷地内では、クマのマーシャが飼われています。ずっと檻の中にいるらしく、かなり退屈そう。

檻の中をひたすらぐるぐる回っていました。

修道院の敷地内には、お土産物屋さんやカフェもあります。
私が行ったときは、若き芸術家といった雰囲気の人が屋台を出し、木のおもちゃを売っていました。パズルみたいに組み合わせることができるおもちゃだったのですが、後でロシア人から聞いた話だと、ヤロスラヴリではそういったお土産をよく作っているのだそうです。

「メドヴィーク」というハチミツを使ったケーキです。

(おまけ)
このクマの像は、毎日決まった時間になると「ガオー」と吠えます。


これは、私が一泊二日かけてヤロスラブリで見たものの、ほんの一部です。
もっとゆっくりと、観光名所を回るには、3日か4日はあったほうがゆとりがあると思います。

(市川透夫)