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不死身のコシチェイ
Кощей-бессмертный
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不死身のコシチェイ(Кощей бессмертный)は、ロシアのおとぎ話でも、バーバ・ヤガーに並ぶ代表的な悪役です。バーバ・ヤガーは鬼ばばあということで女性でしたが、こちらは男性の妖術師ということで、さしづめ鬼じじいです。
コシチェイという名前が、ロシア語の骨(コースチ)を連想させることから、しばしばドクロの形で描かれます。ドクロでないとしても、骨の形が分かるぐらい痩せた醜い姿をしているということで大方のイメージは一致します。
『不死身のコシチェイ』V.ヴァスネツォフ作 |
さて、どうすればやっつけられるでしょうか。その秘密は、物語の中で次のように説明されます。
「海の向こうに島がある。島には一本のカシの木が生えている。そのカシの木の下には箱が埋まっている。その箱の中にはウサギがいる。ウサギを殺すと中からアヒルが出てくる。アヒルを殺すと卵が出てくる。その卵の中には針がある。その針の先に、コシチェイの命が入っている。」
コシチェイは妖術師。普通に剣で体を切っても殺せません。コシチェイの命は、別のところ ― 針の先 ― にあるからです。
箱→ウサギ→アヒル…という入れ子構造になっているあたり、ロシアの人形マトリョーシカみたいです。別に関係はありませんが。
「針」「ウサギ」などという物体の選び方も、凡人の発想を超えている(と私は思うのですが...)。
とにかく、昔話を紡ぐ人たちの自由な想像力を感じさせます。
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不死身のコシチェイが登場するアニメ、『カエルの王女』
カエルの王女はロシアでは学校の教科書に載るくらい有名な昔話です。
https://www.youtube.com/watch?v=OaQRxJTq_8c
(文:市川)
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