2015年11月5日木曜日

モスクワ郊外の旅

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モスクワ郊外の旅
Путешествие по Подмосковью
 
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 今まで書いてきたモスクワ郊外の旅を目次にしてまとめました。


私が滞在していたのがモスクワであったこともあり、首都圏が中心となりました。しかしロシア第二の都市ペテルブルグからも、ツァールスコエ・セローやペテルゴフ、ガッチナなど、郊外の見どころがいろいろあるようです。

2015年11月4日水曜日

ズヴェニーゴロド ~ロシアのおやつ博物館~

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ズヴェニーゴロド ~ロシアのおやつ博物館~
Звенигород : Музей русских десертов
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 ズヴェニーゴロドには、アブラムツェヴォやクリンへ行ったときと同じロシア人の連れと行った。この町でメインとなる観光名所は、修道院らしい。だが、ロシアの友人は例によって観光地には興味ないらしく、代わりに「ロシアのおやつ博物館」というものを探し出してきた。
 ズヴェニーゴロド駅の前は田舎で何もないので、バスで中心部まで行く必要がある。
 中心部の印象はアンナ(モスクワ出身)曰く、「ごく普通のロシアの田舎町」とのこと。


かわいらしい土産物屋。

 しかしマクドナルドもあれば、最近ロシアではやりのお寿司屋さんもあって、田舎過ぎず、かといって都会過ぎずといった雰囲気。
 おやつ博物館は町のはずれにあり、探すのに少し手間取った。道を歩いていた人に聞いたところ、「私もそこに行きたいけど、なくて困っているんです」とのこと。
 とりあえず私たちは見つけた。あの人も見つけるといいな。
 「ロシアのおやつ博物館」では、このときパンの作り方教室を開いていた。そうとは知らずに入った私たちはびっくり。
 奥でパンをたたく音がするのをよそに、私たちは展示を見ていく。
 博物館は、ところせましにお菓子やかわいらしい食器が並べられた、一軒の田舎の家といったところ
 ちなみに、ロシアのお菓子といっても普通はイメージがつかないが、具体的にはこんなものがある。
 ・バランキ(硬い、輪の形をしたパン)
 ・プリャーニク(しょうがを使ったクッキー)
 ・パスチラー(リンゴを固めてつくった、大きなアメ)
 さきほど「私も博物館を探してる」と困っていた人も、この博物館の中で歩いているのを見かけた。みんなここにたどり着いて、めでたしである。
 この後は連れと一緒にお寿司屋さんへ。
 「スシバー」と言われるファーストフードの寿司屋は、ロシアの色んな都市で、2000年以降一気に増えたらしい。実際に町を歩いて行くと、寿司屋を含め日本料理の店がすぐに見つかる。
 ということで、今回をもって、モスクワ郊外の町についての紹介は終わり。モスクワ周辺には、電車で1、2時間程度で行ける、魅力的な郊外の町がたくさんあるということが伝えられたら、幸いである。
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◆ズヴェニーゴロドへの行き方◆
モスクワ・ベラルーシ駅(Белорусский вокзал)からズヴェニーゴロド駅(Звенигород)まで。時刻表をよく調べ、電車の方向をよく確認すること。所要時間一時間半。

2015年11月1日日曜日

クリン ~ツリーの飾り博物館へ~

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クリン ~ツリーの飾り博物館へ~
Клин : Музей ёлочных игрушек
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クリンという町には、ロシアの作曲家チャイコフスキーの家がある。なので、普通のガイドブックでは、「チャイコフスキーの家記念館」を紹介することが多い。

 この町には個人的な思いがある。私がロシア語を独学していた頃、教科書の一番最後の課に、このチャイコフスキーの家博物館(Дом-музей П.И.Чайковского)について書いてあった。ここでチャイコフスキーが住んで、創作していたこと、交響曲第六番を書いたということを、ロシア語で説明してある。そのエッセイが本の締めくくりだったということで、深く印象に残った。今でもときどき、そこに書いてあったロシア文の断片が頭に浮かぶことがある。


 そういうわけで、私はロシアに留学した以上、クリンに行くべきこと、チャイコフスキーの家を訪ねるべきことは心に決めていた。

 ところがこの旅についてきたロシア人の友人アンナは、チャイコフスキーの家には全く興味がない。その代り、「クリスマスツリーの飾り博物館」という、日本人じゃ思いつかない提案を出す。私がクリンに行く、と言ったら、インターネットで探し出してきたらしい。
 というわけでチャイコフスキーは置いておいて、クリスマスツリーを見に行くことになった。


クリスマスツリーの飾り博物館。
ツリーの飾り博物館は、学芸員のガイドによるエクスカーションのみを扱っているため、自由に歩いて展示品を見らえるような所とは違う。




 ロシアでは、クリスマスとお正月は同じ時期に一緒にお祝いする。ツリーももちろん出す。展示の内容は、昔のロシアからソ連を経て現代までの、ツリーの歴史を追っていくというもの。とちゅうで、職人が飾りを作っているところを、実際に見せてくれる。ガラスを熱して形をつくるところや、それに色を付けているところを生で見せてくれる。

 この後、「街をどうしても見たい」と言って、しばらく市内を歩かしてもらった。

 このクリンは市場がある。街の真ん中に赤いレンガの建物があって、商店が並んでいる。冬なので開いていないところ、さらに修理中のところもあったが、どこか独特の雰囲気がある。




携帯電話ショップがある。
建物自体は昔からあっても、中のお店は新しいので、
横浜の赤レンガ倉庫を思わせるところがある。

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◆クリンへの行き方◆

モスクワ・レーニングラード駅(Ленинградский вокзал)から郊外列車エレクトリーチカでクリン駅(Клин)へ。所要時間一時間程度。

2015年10月30日金曜日

セルプホフ ~暗闇の中で見た修道院~

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セルプホフ ~暗闇の中で見た修道院~
Серпухов
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 セルプホフ行きは完全な失敗で、なぜかというと電車に乗り遅れた。午前の電車に乗るつもりが間に合わなかったせいで、次の電車までの2時間を待たなければならなかった。その間はショッピングモールをうろついて、ユニクロのモスクワ支店を見たりしながら時間を潰す他なかった。

 郊外列車エレクトリーチカは、昼間は大きな休憩時間があるので、乗るときは時刻表をよく確認する必要がある。

 これと関係あるかないか、ロシアでは昼休みをとっている施設が多い。レストランも昼の間だけ閉まっていることがある。

 それは、日本やヨーロッパが正餐(ディナー)を夜に摂るのに対し、ロシアでは昼に行うことと関係があるのかもしれない。あんまり間違っていると恥ずかしいので、断言するのはやめておく。

 そういうわけで、電車で二時間もゆられ、過ぎていく時間に憂愁を覚えながら、セルプホフに到着した。駅に降りたころには、もう夕方の4時。

 さてこの後も大変である。歴史地区まで行きたいわけだが、セルプホフは比較的に町が大きいので、車などで移動しないと、歩く距離が非常に多くなる。だが私は電車できたぐらいなので車など持っていない。だから、歴史地区まではバスでの移動である。


駅前のお店。正直なところ古くて汚い場所が多いが、
その古くて汚いところにどこか懐かしい感じがある(失礼)。
こういうよくある光景がずっと残っていてほしい

 そしてバスがなかなか来ない。日本もそうだが、田舎のバスは一時間に一本来れば良い方である。実際このときは、一時間待てば来る、「良い方」のバスだったわけだが、それでもバルに乗り込む頃には、すでに夕方五時。ロシアの冬は、一日が非常に短いので、4時にもなれば暗くなりはじめ、5時にはすっかり夜である。

 こうして、バスに乗りながら暗くなった外の景色を、悲しい気持ちで眺めていた。けれども、せめてセルプホフに来たからには、修道院は見てみたい。

 そういうわけで修道院に着いた。

 さて空は真っ暗であるから、修道院もよく見えない。わずかに、雪の照り返しでうっすら白い壁が見える。

 古い言葉で「蛍雪の功」というのがある。蛍の光や、窓の雪の光で、夜も勉強に励んだ人の成功を指す成句だが、実際に雪によって光が生じるのを、これほど実感したのはこの時ぐらいである。

奥にうっすらと、修道院の壁や、尖塔が見える。

デジカメを夜景用に設定するも、手がブレるせいでまともに撮れない。

 ところで今まで書かないでおいたが、冬のロシアだからえらい寒さである。バス停で一時間待ったなどと書いたが、その間も風吹の中を待っていたわけである。電車やバスの時間をよく見ておかないと、こんなところでも大変な被害を受ける。

 修道院も外は寒い。私は、お寺に対する敬意を忘れずに中を見学する。すると天国かな、非常に暖かい。ロシアは建物の中を暖めるにかけては素晴らしい。

 その時は夕方の祈祷が行われていた。セルギエフ・ポサードで見た様な、祈りの言葉を聞きながら、信徒たちの十字を切る姿を見ていた。

 祈祷は長く続いたが、私は途中で外に出た。暗闇の中にそびえる修道院。街灯は一つもない。中世のロシア人も同じくらいの暗闇の中で、教会の白壁や丸屋根を見上げていたろうか。

 つまるところ、私のセルプホフ行きは、暗い中でこの修道院を見たという話に尽きるから、いささかも町の魅力を理解できず、また伝えることもできないのが遺憾ではあるが、しかし旅行先として楽しいのはたしかなので、ここに記事をものした次第である。


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セルプホフへの行き方

モスクワ・クールスク駅から郊外列車エレクトリーチカでセルプホフへ。所要時間一時間半~二時間。

2015年10月27日火曜日

ザライスク ~バスで行った小さな町~

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ザライスク ~バスで行った小さな町~
Зарайск : поездка на автобусе
 
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 今まではすべて電車での旅行でしたが、今回は電車が通っていない町に行きます。移動手段は長距離バスです。

 地下鉄のヴィーヒノ駅前にあるバスターミナルで、バスの切符を購入し、正しい番号のバスに乗ります。終点までなので、途中でバス停を乗り過ごす心配はありません。

 バスの窓からは、広く、何もない平原が見えます。
 
 
 なんだかずいぶん田舎に行くような気分ですが、しかししばらく車に揺られていると、やがて家が見え始め、マクドナルドの看板まで見えてきて、終点のザライスクに到着。 
 
ザライスク観光(1) ~クレムリン~
 
 バスターミナルのすぐそばにクレムリンが見えます。
 

モスクワの赤の広場に、ミーニンとポジャールスキーの像がありますが、
ザライスクは後者のポジャールスキーとかかわりがあります。

教会や博物館があります。
博物館には、むかしのロシアの貴族が集めていたという、
日本の骨董品があります。日本刀もありました


ブランコ。
 
ザライスク観光(2) ~聖なる源泉~
 
 クレムリンを見た後は、町の通りに沿って散歩します。といっても、ザライスクはとても静かな町なので、通りをあるいても、木造の民家が続くばかりです。
 
ごくふつうのロシアの田舎の家です。

 ガソリンスタンドまできたら、左折します。 
 
草原が見えます。
 ここで、二つ目の観光スポットを見つけます。 聖なる源泉と呼ばれる井戸からは、水が流れ、オショートル川にそそがれます。
 
看板があり、
 
こんな風に進んでいく先には沐浴所があります。
 
沐浴所
 ザライスクは静かでとても小さな町ですが、歴史的な遺跡や記念碑、博物館なども多く、とても面白い場所です。
 
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◆ザライスクへの行き方◆
 
地下鉄ヴィーヒノ駅(または郊外列車のヴィーヒノ駅)にあるバスターミナルから、ザライスク行きのバスに乗る。片道二時間ほど。
(文と写真:市川)

2015年10月25日日曜日

アブラムツェヴォ ~芸術家の村~

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アブラムツェヴォ ~芸術家の村~
Абрамцево
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 なんでも、芸術家たちが集まって、切磋琢磨しあった場所らしい、というおぼつかない知識だけで向かったのが、アブラムツェヴォの博物館である。

 後から入れた知識だと、ここはもともと作家アクサーニコフの領地であったが、19世紀後半にはマーモントフというお金持ちが買い取った。

 このマーモントフというのは芸術家のパトロンである。いろんな芸術家にお金を出すことをしていた。別荘だったアブラムツェヴォ村には、画家や文学者たちが招かれ、やがて村は、有名な芸術家村となっていく。

 ここで活動した芸術家の一派はアブラムツェヴォ・サークルと呼ばれた。画家でいうと、このブログでもたびたび絵を紹介したV・ヴァスネツォフとその兄弟、ヴルーベリ、セローフ、レーピンなどなど。

 現在は博物館となっており、公園のようになった敷地内に展示場や建物がいくつか並んでいるという趣きであった。

古いロシアの田舎の家をイメージしている

 アブラムツェヴォへは、ロシア人の連れ合いと共に向かった。12月の冬場で、ほとんど観光客の訪れない時期であったから、ひっそりしている。


池が凍っている。

 ここに向かったのも、実はそのロシア人の連れ合いというのが、館員と知り合いであったためである。この館員はモスクワ市在住だが、平日は、この博物館まで片道一時間半以上かけて出勤していた。いまは労働環境を改善したかったとかで、自宅で働いているらしい。

 展示を見た全体の印象から言うと、アブラムツェヴォでは、ロシアの自然やフォークロアを題材にした絵画、伝統的な工芸品や民芸品、さらにイコンなどが作り出されていたようである。近代のある時期の画家たちには、古い時代のロシアに回帰するような傾向があったのかもしれない。

これは博物館の外にあるホテルの前なのだが、
バーバ・ヤガーのモニュメントがある。
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アブラムツェヴォへの行き方

モスクワ・ヤロスラブリ駅(Ярославский вокзал)から郊外列車エレクトリーチカでアブラムツェヴォ駅(Абрамцево)まで行った後、乗り合いタクシー(マルシルートカ)に乗る。
( 文と写真:市川)

2015年10月23日金曜日

アレクサンドロフ ~歴史ドラマの舞台~

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アレクサンドロフ ~歴史ドラマの舞台~
Александров
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 ロシアの皇帝に、イワン雷帝というのがいます。

 カザン征服など有能な面を見せましたが、一方でお妃の死をきっかけに精神を病み、多くの家臣を殺し、数えきれないほどの人々を処刑や拷問にかけた残忍な人物でした。

 モスクワのトレチヤコフ美術館には、イワンが息子を殺害する一場面を描いた有名な絵画があります。

 そのイワン雷帝が17年間近く居を構え、事実上のロシアの首都ともなっていたのが、アレクサンドロフです。

 皇帝が住んでいた16世紀のアレクサンドロフは、リームスキー=コルサコフのオペラ『皇帝の花嫁』の舞台となっています。

 この町は厳密に言うとウラジーミル州にあるため、いわゆる「モスクワ郊外」と呼ばれるモスクワ州の町とは違うのですが、それでも電車で2時間程度なので、日帰りは十分可能です。

 さて、首都モスクワから郊外列車に乗ってアレクサンドロフ駅に到着し、20分ほど歩くと、目的の博物館「アレクサンドロフスカヤ・スラボダー」が見えます。

 壁で囲まれた敷地の中に教会や、展望台、宮殿、博物館があります。見どころはいっぱい。一日かけて残らず見ることをお勧めします。

入口。
この年は、10月に雪が降りました。
ロシアとはいえ10月の降雪は珍しいそうです。
白い壁が中世の雰囲気を出しています。
中に入ると、映画「イワン4世」の中にあるような、古いお城の造りになっています。
昔の時計。

 小学生が遠足で大勢きています。先生が博物館の中で引率して、なにか説明をしています。前のほうではちゃんと聞いていますが、後ろの列ではふざけていたりして、日本とあんまり変わらない。

展望台から。
展望台から(2)。
きれいな場所です。

 敷地の中には木の家があって、そこには猫が住み着いていたり、親切な館員の人に説明してもらえたりします。

 ちなみに展示内容自体は、中世から近代まで幅広いので、さまざまな場所を歩き回ってもあまり飽きないと思います。

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 博物館から駅まで戻る途中で、偶然、マリーナ・ツヴェターエワの家博物館を発見しました。マリーナ・ツヴェターエワとは20世紀のロシアの詩人で、技巧を凝らした作品で知られます。私は大学では、ツヴェターエワが好きな先生のもとでロシアの詩を勉強し、ツヴェターエワの伝記も読んだのですが、内容をすっかり忘れてしまいました。こんなところで「ツヴェターエワの家」とかかれた看板を見つけ、アレクサンドロフとゆかりがあったなんて、と不意打ちをくらった気分です。

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◆アレクサンドロフへの行き方◆

 モスクワ市内・ヤロスラブリ駅(Ярославский вокзал)から、郊外列車エレクトリーチカで、アレクサンドロフ駅(Александров)まで。二時間ほど。
(文と写真:市川)