2015年10月25日日曜日

アブラムツェヴォ ~芸術家の村~

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アブラムツェヴォ ~芸術家の村~
Абрамцево
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 なんでも、芸術家たちが集まって、切磋琢磨しあった場所らしい、というおぼつかない知識だけで向かったのが、アブラムツェヴォの博物館である。

 後から入れた知識だと、ここはもともと作家アクサーニコフの領地であったが、19世紀後半にはマーモントフというお金持ちが買い取った。

 このマーモントフというのは芸術家のパトロンである。いろんな芸術家にお金を出すことをしていた。別荘だったアブラムツェヴォ村には、画家や文学者たちが招かれ、やがて村は、有名な芸術家村となっていく。

 ここで活動した芸術家の一派はアブラムツェヴォ・サークルと呼ばれた。画家でいうと、このブログでもたびたび絵を紹介したV・ヴァスネツォフとその兄弟、ヴルーベリ、セローフ、レーピンなどなど。

 現在は博物館となっており、公園のようになった敷地内に展示場や建物がいくつか並んでいるという趣きであった。

古いロシアの田舎の家をイメージしている

 アブラムツェヴォへは、ロシア人の連れ合いと共に向かった。12月の冬場で、ほとんど観光客の訪れない時期であったから、ひっそりしている。


池が凍っている。

 ここに向かったのも、実はそのロシア人の連れ合いというのが、館員と知り合いであったためである。この館員はモスクワ市在住だが、平日は、この博物館まで片道一時間半以上かけて出勤していた。いまは労働環境を改善したかったとかで、自宅で働いているらしい。

 展示を見た全体の印象から言うと、アブラムツェヴォでは、ロシアの自然やフォークロアを題材にした絵画、伝統的な工芸品や民芸品、さらにイコンなどが作り出されていたようである。近代のある時期の画家たちには、古い時代のロシアに回帰するような傾向があったのかもしれない。

これは博物館の外にあるホテルの前なのだが、
バーバ・ヤガーのモニュメントがある。
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アブラムツェヴォへの行き方

モスクワ・ヤロスラブリ駅(Ярославский вокзал)から郊外列車エレクトリーチカでアブラムツェヴォ駅(Абрамцево)まで行った後、乗り合いタクシー(マルシルートカ)に乗る。
( 文と写真:市川)

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