2015年11月1日日曜日

クリン ~ツリーの飾り博物館へ~

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クリン ~ツリーの飾り博物館へ~
Клин : Музей ёлочных игрушек
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クリンという町には、ロシアの作曲家チャイコフスキーの家がある。なので、普通のガイドブックでは、「チャイコフスキーの家記念館」を紹介することが多い。

 この町には個人的な思いがある。私がロシア語を独学していた頃、教科書の一番最後の課に、このチャイコフスキーの家博物館(Дом-музей П.И.Чайковского)について書いてあった。ここでチャイコフスキーが住んで、創作していたこと、交響曲第六番を書いたということを、ロシア語で説明してある。そのエッセイが本の締めくくりだったということで、深く印象に残った。今でもときどき、そこに書いてあったロシア文の断片が頭に浮かぶことがある。


 そういうわけで、私はロシアに留学した以上、クリンに行くべきこと、チャイコフスキーの家を訪ねるべきことは心に決めていた。

 ところがこの旅についてきたロシア人の友人アンナは、チャイコフスキーの家には全く興味がない。その代り、「クリスマスツリーの飾り博物館」という、日本人じゃ思いつかない提案を出す。私がクリンに行く、と言ったら、インターネットで探し出してきたらしい。
 というわけでチャイコフスキーは置いておいて、クリスマスツリーを見に行くことになった。


クリスマスツリーの飾り博物館。
ツリーの飾り博物館は、学芸員のガイドによるエクスカーションのみを扱っているため、自由に歩いて展示品を見らえるような所とは違う。




 ロシアでは、クリスマスとお正月は同じ時期に一緒にお祝いする。ツリーももちろん出す。展示の内容は、昔のロシアからソ連を経て現代までの、ツリーの歴史を追っていくというもの。とちゅうで、職人が飾りを作っているところを、実際に見せてくれる。ガラスを熱して形をつくるところや、それに色を付けているところを生で見せてくれる。

 この後、「街をどうしても見たい」と言って、しばらく市内を歩かしてもらった。

 このクリンは市場がある。街の真ん中に赤いレンガの建物があって、商店が並んでいる。冬なので開いていないところ、さらに修理中のところもあったが、どこか独特の雰囲気がある。




携帯電話ショップがある。
建物自体は昔からあっても、中のお店は新しいので、
横浜の赤レンガ倉庫を思わせるところがある。

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◆クリンへの行き方◆

モスクワ・レーニングラード駅(Ленинградский вокзал)から郊外列車エレクトリーチカでクリン駅(Клин)へ。所要時間一時間程度。

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