2015年7月29日水曜日

ロシアとクマ

 ロシアの民話で「кума クマー」という言葉が出てきても、それはあの大きい獣のことではない。オオカミキツネのこと。

 ではクマのことをロシア語でなんというかというと、「медведьメドヴェーチ」という。これは「ハチミツ」という言葉から来ている。そういえば「クマはハチミツが大好き」というイメージは確固たるもの。クマのプーさんもハチミツの壺を大事そうに持っていた。自然の中にいるクマが、ハチミツを舐められる機会はそうないけど。

 今のロシアの大統領はメドヴェージェフだけれども、この苗字もメドヴェーチという単語から来ている。日本でいうなら、さしづめ熊田さんといったところ。

 外国人には、ロシアといえばクマというステレオタイプがある。昔は新聞の風刺画などで、ロシア人は決まってクマの姿で描かれていた。体が大きくて毛深いところがロシア人のイメージと一致したのだろう。そして実際に街をあるいているのも、クマみたいに大きくて毛深い大男...

 外国人だけでなく、ロシア人自身にも、ロシアといえばクマというイメージはあるみたいで、クマはあちこちでイラストやキャラクターのモチーフになっている。

 1980年のモスクワオリンピックでマスコットキャラクターになったのは、クマのミーシャ。実は、クマがミーシャという名前になるのは、犬がポチという名前になるくらい平凡なネーミングである。おそらくメドヴェーチと同じくMの音で始まっているため、クマの名前らしく聞こえるのかもしれない。この年のオリンピックは、ソ連のアフガン侵攻に日本が反対して、出場は辞退しているので、日本人にとってはキャラクターと共になじみの薄い大会となった。
モスクワ市内・オリンピック公園に
あるくまのミーシャの銅像。

 2014年の冬のソチオリンピックは、ホッキョクグマがキャラクターになっていた。ほかにもウサギとヒョウがいた。ただこのときは、個別の名前はつけられていないようで、ただウサギとかヒョウとかホッキョクグマと呼ばれていた。

 毎年夏になると、東京にはロシアのボリショイ・サーカスが公演にやってくる。そのときの公式キャラクターは、クマの男の子と女の子で、それぞれミーシャとマーシャという。

 というわけで、ロシアといったらクマといっていいくらい、クマはロシアのイメージと結びついているが、おとぎ話のなかにもクマはたいへんよく出てくる動物の一つである。

 おとぎ話の中に出てくるクマは、たいていは乱暴者で、人間からもほかの動物からも恐れられている。ときどきキツネみたいなずるがしこいやつに惑わされたりするけれども、力においては森の中で最強である。クマが物語の最後にでてきて、何もかもメチャメチャにして話を無理やり終わらせるようなこともある。

 ロシアの辞書でメドヴェーチの項目を見ると、第一義には「体が大きく獰猛で、毛の長い雑食性の動物」とあり、第二義には「不器用で、動きの鈍い人」という説明が書いてある。力はあるのだけど、その力の扱い方が雑だというこの説明は、キツネのような知恵やすばしっこさを欠いた、昔話のクマの姿に重なる。

 日本語でも出てる代表的な絵本に、「3びきのくま」や「マーシャとくま」がある。最近のロシアでは、「マーシャとクマ」というCGアニメも出てきて(日本で出ている絵本とは別の物語)、相変わらずお話の世界では大活躍のクマ。

 一個一個の作品について書かなければいけないことは多いけれども、それは次回に。
(筆者:市川)

2015年7月25日土曜日

おおきなかぶ

* * * *
『おおきなかぶ』
РЕПКА
(ロシア民話)
* * * *
いままでアニメの話ばっかりだったので、絵本の話題を。

 子供の本と大人の本との違いは何かという問いには、いくつか答え方があると思う。ただ一つ挙げるとするならば、大人向けの本が、新作が短期間で一気に売れるという場合が多い一方、絵本は、良い本が少しずつ何年も売れ続け、ロングセラーになるというパターンが多いという点がある。

 そんな中、福音館書店から1966年に発行された「おおきなかぶ」は、広い世代ですっかりおなじみになった絵本の一つである。ある調査によれば、売上はおよそ250万部、絵本全体で見ると第6番目とのこと(情報源http://nendai-ryuukou.com/article/072.html)。小学校の国語の教科書にも掲載された。実はこれは、ロシアの民話。この物語が日本でこんな有名だと知ったら、ロシア人の方はどんな反応をするだろうか。こんどロシアの友人に話してみようと思う。

 ストーリーはシンプル。おじいさんが植えたかぶが、とっても大きくなった。あまり大きいので、一人ではとても抜けない。おじいさんはおばあさんを呼び、おばあさんは孫娘を呼び...というふうに、かぶをひっぱる列は一人ずつ大きくなっていく。みんなで力を合わせた結果、やっとのことかぶは抜けた。
 昔話の中でも典型的な、積み重ね型の物語である。

 このお話のびっくりするところは、まずかぶが巨大に成長すること。特に何の説明も前置きもなく、いきなり大きなかぶが登場する。常人の発想ではない。

 自動車ほどはある大きなかぶ。本当の世界で見たことはないけれども、きっとおじいさんが心をこめて育てたに違いない。だから大きくなったのだ。こんな大きなかぶは、ぜひとも抜きたい。

 おじいさんは一人でひっぱってもなかなか抜けない。そこで次におばあさんを読んだ。おばあさんがおじいさんを、おじいさんがかぶを引っ張る。今となっては、腰を痛くしないかとか心配になる。「うんとこしょ、どっこいしょ!」と声を合わせるが、かぶはなかなか抜けない。

 おばあさんは孫娘を呼び、今度は3人で引っ張る。なぜお父さんとお母さんを飛ばして、孫娘が来たのかよく分からない。若い夫婦は働きに出たのかもしれない。あるいは他の民話がそうであるように、老夫婦のもとへ偶然やってきた子供かもしれない。たとえば桃太郎で、桃から男の子が生まれたように、かぐや姫が竹の中から現れたように。ロシアの話だから、雪でできた雪娘かもしれない。ともかくも孫娘が加わったが、三人では、かぶは抜けなかった。

 今度はイヌが、ネコが、と動物まで仲間に加わる。まだ抜けない。もうネコがきたあたりで抜けてもいいんじゃないかと思うのに、だめ。そろそろお話を聞いてくる方にも冷汗が流れる。

 そこでネズミが加わる。このネズミ、あまり頼りないが、このネズミのわずかな力が加わったことで、とうとうかぶが抜けるという運びになった。ネズミのわずかな力も、この時ばかりは非常にありがたい存在となったわけである。

 さて、やっとのことで抜けた大きなかぶを、スープにするか煮物にするか、そこは読む人の想像の自由。ちなみにロシアではどう食べるのかロシア人に聞いてみたところ、蒸したり、ふかしたりしてそのまま食べたり、お肉の付け合わせにしたり、チーズと一緒に食べたという話が出てきた。

 というわけで、「いぬがまごむすめを、まごむすめがおばあさんを、おばあさんが...」という風にますます長くなる列、それにあわせて言葉も鎖のようにつながっていくところに、この話の面白さがあるのだが、もう一つ、日本語で読まれる「おおきなかぶ」にはもうひとつ味噌がある。それは、かぶをひっぱるときの、かけことば。

うんとこしょ、どっこいしょ!

 これに相当するロシア語はない。ロシア語でこの民話を読んでも、そこには「引っ張った、引っ張った」という意味の動詞(Тянут, потянут)があるだけ。そのまま日本語にしても味気ないのを、リズミカルなフレーズに変えたのは、一に「おおきなかぶ」を翻訳した内田莉莎子さんの力量である。

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 ちなみに、このお話の原典とはどんなものだろうか。いま絵本になっている昔話はふつう、絵本にするために、誰かがやさしい言葉で書き直したもの。実際にはどこかに原典が存在する。
 日本で翻訳された「おおきなかぶ」の絵本は、アレクセイ・トルストイの再話が元になっている。しかし元々は民話であり、ロシアの農村において、大昔から口伝えによって代々語り継がれてきた、フォークロアである。
 ロシアでは19世紀に、アファナーシエフという文学者が、ロシア各地の民話を収集し、「ロシア民話集」を編纂した。その民話集の中に、「かぶ」という題の話が収録されている。
 内容は、大きなかぶをおじいさんが引っ張るのを、おばあさんや孫娘たちが手伝うというもの。ところが、子犬の後に来たのは、なんと「足」。

「...みんなでうんうんひっぱるが、どうしても引き抜けない。そこへ子犬がやってきた。子犬が孫娘につかまり、孫娘がおばあさんにつかまり、おばあさんがおじいさんにつかまり、おじいさんが蕪をつかんで、みんなでうんうんひっぱるが、どうしても引き抜けない。そこへ一本の足(?)がやってきた。足が子犬につかまり、子犬が孫娘につかまり、孫娘がおばあさんにつかまり、おばあさんがおじいさんにつかまり、おじいさんが蕪をつかんで、みんなでうんうんひっぱるが、どうしても引き抜けない。そこへ二本目の足がやってきた。二本目の足が最初の足につかまり、その足が子犬につかまり、子犬が孫娘につかまり、孫娘がおばあさんにつかまり、おばあさんがおじいさんにつかまり、おじいさんが蕪をつかんで、みんなでうんうんひっぱるが、どうしても引き抜けない。(こうして五本目の足までつづく)五本目の足が四本目の足につかまり、四本目の足が三本目の足につかまり...みんなでうんうんひっぱると、とうとう蕪が引き抜けた。」(中村喜和訳)

 足がひとりでに歩いてくるのはどういう意味か。しかもそれが孫娘を「つかむ」とは?そして一本だけでなく、5本も出てくるのはなぜか?これは、アファナーシエフ自身も解明不可能だったようで、本文の中に「?」を置いている。人から人へ伝わっていく伝承ということで、ときどきこういう理不尽なことが起きる。

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(追記2017/2/2)
最近聞いた話では、日本政府の高官に、小学校の国語の教科書に「おおきなかぶ」を載せることを好んでいない人がいるらしいです。なんでも内容が社会主義的だからとか。
たしかに、この本をアレクセイ・トルストイが再話したのはソ連時代のはずなので、内容が社会主義的になるのはしかたないかも。

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『おおきなかぶ』 A・トルストイ、佐藤忠良絵、内田莉莎子訳。福音館書店、1966年。
(筆者:市川透夫)

2015年7月19日日曜日

仲良く暮らしましょう

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『猫のレオポルド』シリーズ
1975(ソ連)
監督:A.レーズニコフ
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一言でいうと、二匹のネズミが、ネコのレオポルドをやっつけようとしていつも失敗する話です。セリフが少なめなので、ロシア語が分からなくても楽しいアニメです。

 ふつうはネコがネズミを追いかけるのが定番ですが、このアニメに出てくるネコは闘うのは好きじゃない。だいたい一人で自由に平和な暮らしを楽しんでいます。そこを二匹のイタズラネズミが攻めてくるわけです。ところがこのネズミたちはどこかマヌケ。ネコはひょうひょうとしたもので、ネズミの攻撃なんか軽くあしらってしまいます。結局ネズミがほとんど自滅するような形で終わる。毎回最後に、レオポルドはこんなセリフを決まって言います。

Ребята, давайте жить дружно.
(リビャータ、ダヴァーイチェ・ジーチ・ドゥルージナ)
良い子のみんな、仲良く暮らしていきましょう。

 レオポルドというネコは、特に自分から攻撃をしかけるわけでもないので、こんなことを言う資格があるわけです。

 以前、ソビエトの代表的なアニメとして「今に見てろよ!」ご紹介したとき、それがトム&ジェリーと比較されることがあると書きました。共通点は動物が追いかけっこをすること。

 今回は登場するのがネコとネズミなのはトム&ジェリーと一緒です。ただしネズミがネコを攻撃するというあたり正反対。こういう、ネコ→ネズミのはずがネズミ→ネコのように逆転したのがこの名作アニメです。

 面白いものを作るにはどうすればいいのかは一概に言うことはできませんが、何か普通とは違うこと・現実と正反対のことを起こさせるというのは一つの方法ではないかと思います。

 ところでこのシリーズ、数年にわたっていくつかの作品が製作されましたが、途中で大幅なデザインチェンジがあります。有名なのは、後に製作されたポップな絵柄のレオポルドですが、初期に描かれたほうの、切り絵アニメもアーティスティックでおもしろいです。

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ソビエトのアニメは、アニメ配給会社ソユーズ・ムリトフィリムが、YouTubeで無料に公開している。
ほとんどの作品が10~20分ほどなので、少しの時間を見つければ気軽に楽しめる。

Приключения кота Леопольда,ВСЕ СЕРИИ (КОТ ЛЕОПОЛЬД)
https://www.youtube.com/watch?v=0_t8n7EMI58

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おまけ
二匹のネズミの名前はミーチャとモーチャです。作中で名前が出ることは無いので、これは裏設定なのですが。
(筆者:市川透夫)

2015年7月15日水曜日

大きくなったら何になりたい?

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「何になるべきか?」
1948(ソ連)
原作:V.マヤコフスキー、監督:D.バビチェンコ
* * * *
 
マヤコフスキーはロシアのアバンギャルド詩人。ロシアでは1917年にロシア革命があります。それまで皇帝がいたのが廃止されて、あたらしくソビエト連邦が始まる、そんな時代の変わり目にいた人物です。革命活動には熱心で、芸術と革命とを同時にすすめていたような人です。

マヤコフスキーの写真はどれもかっこいいです。しっかりポーズなんかとっていて、写真をとるときかなり意識していたと見えます。

 実はマヤコフスキーは「子供のための詩」として児童向けにもいくつか詩を残しました。

 その一つが「何になるべきか?」(1928)

 これは一人の男の子が、将来どんな仕事をしたいかあれこれ想像を膨らませるという話。

《エンジニアもいいけど、
お医者さんはもっといいな。
僕をお医者さんにさせてください。
子供たちの治療がしたいな。
ペーチャを治しに行くだろう、
ポーリャを治しに行くだろう。
子供たちよ、こんにちは。
具合はどうですか、おなかが痛いのですか...》

 職業はお医者さんとエンジニアのほか、大工さん、工員、路面電車の車掌さん、タクシー運転手、パイロット、水兵さん。ソビエトの社会が反映されているみたいでなんだかおもしろい。

 ロシア語を勉強していると、初級の教科書によくでてくる単語の一つにエンジニア(инженерインジェニェール)があるので、これを見ているとロシア語の教科書を思い出すわけです。

инженерインジェニェール) エンジニア、技師

 最後は「どんな仕事もいいよ、好きなものを選びなさい」で締めくくられます。
 内容は前向きだし、これから新しいソビエトの社会をみんなで建設していこうという雰囲気の作品なので、時代にもあっていたんではないかと思います。
 ところでマヤコフスキーの子供向けの詩、筆者がロシアの本屋さんで児童書のコーナーに行ったときも置いてあったのですが、もしかして今の子供にも読んだりするのかなあ。難しそうだし古いと思うのだけど。

 この詩は1948年にアニメになりました。1948年というとびっくりします。第二次世界大戦が終わって3年しか経っていない。時代はスターリン体制。まだ強制収容所へ人が連れていかれたような頃なので、どういう意図でこの作品ができたのかとかいろいろ勘ぐりたくなって、作品そのものの面白さ以外が気になります。

 アニメの方では、男の子の他に女の子も登場します。女の子の観客にも合わせたことになります。ふつうこういう作品をつくるとき、女性はパイロットよりも花屋さんや学校の先生として描かれる場合が多いと思うのですが、なにぶん原作がかなり男の子っぽいので仕方がないのでしょう。

 しかしソ連は女性のエンジニアの話だって聞くし、世界初の女性宇宙飛行士テレシコワが生まれた国でもあるので、職業観が違うのかも知れません。

 ちなみにロシアでは、今でも街で路面電車があちこちで走っています。ふつう日本では電車の運転手といえば男性がほとんどですが、ロシアでは女性の運転手がたいへん多いです。

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ソビエトのアニメは、アニメ配給会社ソユーズ・ムリトフィリムが、YouTubeで無料に公開している。
ほとんどの作品が10~20分ほどなので、少しの時間を見つければ気軽に楽しめる。

Кем быть?
https://www.youtube.com/watch?v=3nJFAzdjBG8

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おまけ
モスクワ市ノヴォデヴィチー墓地にある、マヤコフスキーの墓。
(筆者:市川透夫)

2015年7月7日火曜日

ウサギのやつ、覚えてろよ!

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『いまに見てろよ!』シリーズ
1969(ソ連)
監督:V.コチョーノチキン
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アニメを紹介している記事を書いておいてこういうのも何なのですが、このアニメは実際観てみるにつきます。というのも、セリフはほとんどなく、絵の動きだけで内容を楽しめるからです。ロシア語が分からなくても理解できるわけです。
 ストーリーはごくシンプル。おなかをすかせたオオカミが、ウサギを追いかけるのですが、いつもすばしっこいウサギにうまいこと逃げられてしまう。それで最後にオオカミが言うのが、このセリフ。

Ну, Заяц, погоди! (ヌー、ザーイツ、パガヂー!)
「ウサギのやつめ、いまに見てろよ!」

 セリフといえば、毎回最後に出てくるこれだけで、あとはひたすらウサギとオオカミの追いかけっこ。オオカミがどんなに追いかけても、あるいは途中で邪魔が入り、あるいはウサギにごまかされ、結局つかまえることができない。
 だいたいオオカミはちょっと柄が悪そうで、身なりもすこしだらしがない。一方のウサギはこぎれいで、(ずる)賢そう。でもあんまり捕まえられないのを見ていると、なんだかオオカミの方を応援したくなってしまう。

 エッセイストの黒田龍之介先生がこのアニメを「ロシア版トムとジェリー」という風に書かれていたのを思い出す。

 第一回のプレミア放送がなされたのが、1969年。それから毎年に一回ぐらいのペースで新しい回が出ました。オオカミの声を勤めたアナトーリー・パパーノフの没後しばらく製作がストップしましたが、ソ連崩壊後の1993年から声優を改めて再開し、新しい話が作られ続けています。最新作は、2012年12月の、クリスマス&ニューイヤー特別編。

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ソビエトのアニメは、アニメ配給会社ソユーズ・ムリトフィリムが、YouTubeで無料に公開している。
ほとんどの作品が10~20分ほどなので、少しの時間を見つければ気軽に楽しめる。

「今に見てろよ!」全シリーズその1(1話~7話)
https://www.youtube.com/watch?v=VxexoStvquk
「今に見てろよ!」全シリーズその2(8話~16話)
https://www.youtube.com/watch?v=_ASgfPn7Ap4
残念ながら17話以降のビデオは、公式サイトには載っていませんでした。

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おまけ
モスクワ郊外ラーメンスコエ市にある『今に見てろよ!』の銅像
(筆者:市川透夫)