2015年7月19日日曜日

仲良く暮らしましょう

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『猫のレオポルド』シリーズ
1975(ソ連)
監督:A.レーズニコフ
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一言でいうと、二匹のネズミが、ネコのレオポルドをやっつけようとしていつも失敗する話です。セリフが少なめなので、ロシア語が分からなくても楽しいアニメです。

 ふつうはネコがネズミを追いかけるのが定番ですが、このアニメに出てくるネコは闘うのは好きじゃない。だいたい一人で自由に平和な暮らしを楽しんでいます。そこを二匹のイタズラネズミが攻めてくるわけです。ところがこのネズミたちはどこかマヌケ。ネコはひょうひょうとしたもので、ネズミの攻撃なんか軽くあしらってしまいます。結局ネズミがほとんど自滅するような形で終わる。毎回最後に、レオポルドはこんなセリフを決まって言います。

Ребята, давайте жить дружно.
(リビャータ、ダヴァーイチェ・ジーチ・ドゥルージナ)
良い子のみんな、仲良く暮らしていきましょう。

 レオポルドというネコは、特に自分から攻撃をしかけるわけでもないので、こんなことを言う資格があるわけです。

 以前、ソビエトの代表的なアニメとして「今に見てろよ!」ご紹介したとき、それがトム&ジェリーと比較されることがあると書きました。共通点は動物が追いかけっこをすること。

 今回は登場するのがネコとネズミなのはトム&ジェリーと一緒です。ただしネズミがネコを攻撃するというあたり正反対。こういう、ネコ→ネズミのはずがネズミ→ネコのように逆転したのがこの名作アニメです。

 面白いものを作るにはどうすればいいのかは一概に言うことはできませんが、何か普通とは違うこと・現実と正反対のことを起こさせるというのは一つの方法ではないかと思います。

 ところでこのシリーズ、数年にわたっていくつかの作品が製作されましたが、途中で大幅なデザインチェンジがあります。有名なのは、後に製作されたポップな絵柄のレオポルドですが、初期に描かれたほうの、切り絵アニメもアーティスティックでおもしろいです。

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ソビエトのアニメは、アニメ配給会社ソユーズ・ムリトフィリムが、YouTubeで無料に公開している。
ほとんどの作品が10~20分ほどなので、少しの時間を見つければ気軽に楽しめる。

Приключения кота Леопольда,ВСЕ СЕРИИ (КОТ ЛЕОПОЛЬД)
https://www.youtube.com/watch?v=0_t8n7EMI58

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おまけ
二匹のネズミの名前はミーチャとモーチャです。作中で名前が出ることは無いので、これは裏設定なのですが。
(筆者:市川透夫)

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