2016年4月2日土曜日

ペチカ

詩人・北原白秋の作詞した歌に「ペチカ」という曲があります。

雪の降る夜は楽しいペチカ
ペチカ燃えろよお話しましょ
昔昔よ燃えろよペチカ

このペチカというのは実はロシア語で、暖炉のこと。

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ロシアは寒い国なので、家の中に暖炉があります。ロシアの民話などでもこのペチカは何度も出てきます。

この暖炉は大きく、上の平べったくなったところは横になって眠ることができます。暖炉の上にじかに寝るので大変あたたかいのです。
体の弱いおじいさんなどは、ここで休みをとります。

ロシアの民話『カワカマスの命令により』では、エメーリャという若者が出てきます。エメーリャはなまけもの。仕事はせずに、ペチカの上で寝てばかりいます。

アニメ「カワカマスの命令により」


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ところで、ヨーロッパにチェコという国があります。このチェコで生まれた児童小説に、『黒猫ミケシュの冒険』という話があり、日本語でも読むことができます。

そこでは、農家の家のなかに暖炉があるのですが、ここでも暖炉の上で男の子が寝ているのです。暖炉を寝床として使用するのは、ロシアだけではないのかもしれません。

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もう4月、ロシアでも冬は終わったそうです。5月になれば、サクランボの花が咲いてきれいになると思います。

(文:市川透夫)

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