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『まだらのニワトリ』
"Курочка Ряба"
"Курочка Ряба"
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おじいさんとおばあさんがいました。そして二人には、まだらのニワトリがいました。
ニワトリは卵を産みました。でもただの卵ではなく、金の卵です。
おじいさんが叩いても、卵は割れません。
おばあさんが叩いても、卵は割れません。
ところがネズミが走ってきて、しっぽを振ったら、卵は落ちて、割れてしまいました。
おじいさんもおばあさんも泣いていると、まだらのニワトリは言いました。
「おじいさんもおばあさんも泣かないで。今度は金の卵でなく、普通の卵を産みますよ。」
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これはロシアの民話で、絵本にしても数ページに満たない短い話です。
ところで、ソ連の児童文学作家マルシャークは、この話を元に別の物語を作りました。
題して、『まだらのニワトリと十羽のアヒルの子』です。
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きみは、おじいさんとおばあさんとまだらのニワトリのお話は知っているかな?
もし知っているなら、おじさんが、別の話を聞かせてあげましょう。
むかしむかし、別のおじいさんと別のおばあさんがいました。二人には、別のまだらのニワトリがいました。
ニワトリは卵を産みました。でも金の卵ではなく、ただの卵です。
半熟でも、固くもない、いちばん普通の、生卵です。
ネズミが走ってきて、しっぽを振ったら、卵は落ちて、割れてしまいました。
まだらのニワトリはえんえん泣いていました。
おばあさんはニワトリがかわいそうになり、鳥小屋にカゴを持って走ってきました。
カゴの中にあるのは、アヒルの卵。
ひとつではなく、まるまる10個。
「ニワトリや、アヒルの卵をあたためなさい。」
(以下略)
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やや長い話なので冒頭だけ引用しました。
このあと10羽のアヒルのヒナが生まれたニワトリは、一緒に散歩に出かけます。
アヒルという違う種類の鳥を、しかも10羽も世話するのは大変です。アヒルたちが池を泳いでいるのを、「溺れないかしら」と心配そうに見守るのです。
さて、みんなが池から上がると、とつぜん、ネコがやってきますが、
ニワトリは勇敢に立ち向かって追い返し、強いお母さんぶりを発揮して、この話は終わります。
サムイル・マルシャークが残した数々の作品は、ロシアでは昔から人気です。
マルシャークの多くの絵本では、ウラジーミル・レーベジェフという画家が絵を描いているのですが、この二人が作った絵本は、日本語にも翻訳されています。
代表的なのは『しずかなおはなし』(福音館書店)です。
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(参考:『まだらのニワトリ』ロシア語原文)
Жили-были дед да баба. И была у них Курочка Ряба.
Снесла курочка яичко, да не простое - золотое.
Дед бил - не разбил.
Баба била - не разбила.
А мышка бежала, хвостиком махнула, яичко упало и разбилось.
Плачет дед, плачет баба и говорит им Курочка Ряба:
- Не плачь, дед, не плачь, баба: снесу вам новое яичко не золотое, а простое!
(筆者:市川透夫)